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息子が推し拡げる世界

「ねぇかか、ぼくさ、
ドキュメンタリー見てみたいんだけど、
ちょっとこれ録ってくれない?」
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息子がそう言って、『トムとジェリー』の合間で流れた、バラエティ番組のCMを指差した。
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あぁー…かわいい。きっと彼はまだ〝バラエティ番組〟という存在を知らないのだろう。
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「こういう番組はね、バラエティ番組って言うんだよ〜。」と教えてみたけれどよくわからないようで、???…という表情をしていた。
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息子は時々、どこからともなく、こんな風に新しいものを見つけてきて、少しずつ、でも着々と世界を拡げていく。
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まだeテレしか見たことがなかった頃、他局のアニメをどこかで見かけて「これが見たい。」と探し出し、eテレの枠を飛び出したこともあった。
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「みんなは9時とか10時に寝てるって言ってるよ。せめて8時にしてよぉ。」と言い出し、夜の7時半に寝ていたのを8時に変更したこともあった。
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彼のすごいなと思うところは、関心のあるものを自ら見つけてくるところ。そして、しっかりと交渉してくるところ。
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しっかりと、頑なに、真正面から堂々と、こんな世界を見つけてきたから拡げてほしいと交渉してくるのだ。
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それはまるで、「僕は成長しています。お母さんの認識をアップデートしてください。」と、定期的に通知されるみたいな感覚。
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その通知がピコンと届くたびに、私はハッとして「そうだった!」と、慌ててアップデート作業をするのだ。
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ほんと逞しいよなぁ…と感心しつつバラエティ番組をスマホで調べ、いくつか見繕って予約してみた。さて、息子が気にいる番組はあるかな。
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